通訳が涙で訳せなかった「母との最後」。ロシアの攻撃で母を失い、36回手術を受けたウクライナの子どもの訴え

ベルギー・ブリュッセルの欧州議会で、ロシアのミサイル攻撃で母を失い、自身も重症を負ったウクライナの子どもが、2022年当時の出来事を証言した。 ウクライナ外務省は12月11日、公式Xに、証言の内容を受け、通訳担当者が涙をこらえきれず、言葉が出ずにいる動画を投稿した。 現在11歳のロマン・オレクシフさんは、2022年、7歳の時にウクライナ中部の病院でロシアのミサイル攻撃を受け、母を失った。オレクシフさん自身も重度の火傷を負い、36回の手術と長いリハビリを経て生還した。 AFPなどの英語字幕付きの動画によると、オレクシフさんはウクライナ語で自己紹介した後に、ロシア軍の襲撃について話した。 オレクシフさんが 「これが母に会った最後だった」と言うと、英語の通訳担当者は声を詰まらせ言葉が出ない様子で、別のスタッフが代わりに英語に訳した。 その後、通訳担当者はオレクシフさんの肩に手を置いて、話を続けるように促した。 ロイター通信 によると、この襲撃ではオレクシフさんの母を含む28人が亡くなった。オレクシフさんは体の45%以上の火傷と複数の箇所を骨折し、ドイツで治療を受けたあと、現在は父と一緒にウクライナのリヴィウに戻って暮らしている。もともと社交ダンスを習っていて、競技にも復帰。2023年12月には、リヴィウで開催された社交ダンス大会にも顔に火傷用のマスクをつけて出場した。 この欧州議会では、オレクシフさんの体験を基にロンドン大学ゴールドスミス校の学生たちが制作した短編映画「 ロムチク 」など、戦争の犠牲となっている子どもたちに関するドキュメンタリーの上映が行われた。 【動画】通訳が涙とまらず…オレクシフさんの証言 関連記事 ウクライナを見捨てれば、日本も同じ運命になりうる。軍事研究者の小泉悠さんは警告する【ウクライナ戦争】 日本がパレスチナ占領の「共犯者」である理由。東アジアへの植民地支配と、イスラエルによる入植の共通点は ...クリックして全文を読む