高市政権が引き継いだ「資産運用立国」の中で導入が注目されている「こどもNISA」。2026年度の税制改正大綱に盛り込まれ、早ければ2027年度からスタートになる見通しだという。 子育て世帯の資産形成を後押しするのが狙いの税制優遇制度、どう活用すべきか?資金のシミュレーションも含めてポイントを解説する。 「こどもNISA」の対象者は? 2026年「こどもNISA」図解 18歳未満を対象とする「こどもNISA」は、投資信託を定期的に積み立てる新NISAの「つみたて投資枠」のみが解禁される見込みだ。株式や不動産などにも投資できる新NISAの「成長投資枠」は対象外となる見込み。 また、親世代の資産形成目的での過度な利用を避けるため、1人あたりの年間投資上限は60万円、総額は600万円となる見通し。 旧NISA制度にあった「ジュニアNISA」との違いは、払い出しの制限になる見込みだ。 新しい制度では、子どもが「12歳」になってから(中学校入学時などに合わせて)「教育目的などに使途を絞って」払い出しを可能とする案が出ている。 親世代が自由に資金を引き出せないようにしつつ、子どもが必要なタイミングで柔軟に資金を活用できるようになる。 シミュレーションではいくらになる? 新制度では年齢制限がないため、親権者などが子どもの名義で新NISA口座を開設し、生涯非課税投資枠(1800万円)の一部を利用する形になる。 金融庁の「 つみたてシミュレーター 」を使用すると、投資金額の目安を計算することができる。 2025年の年初来で「S&P500」の利回りはおよそ15%、「オルカン」は19%となっている。 例えば、0歳から毎月1万円の積立投資を始めて、平均利回りが年15%だったと仮定すると、18歳時点では971万円の資産を非課税で築くことができる(元本は216万円)。 また、「オルカン」の場合、1500万円になる。 ただし、新NISAがスタートした2024年から今に至る株価の好調が続くわけではなく、S&P500の利回りは将来的には平均5%程度に落ち着くという見方もある。しかし、その場合でも、345万円(うち運用収益が129万円)になる。 こどもNISAの活用法、懸念も 大学進学時の入学金や授業料など、まとまった資金が必要となるタイミングで引き出すことができるため、子どもの将来の可能性を広げる強力な後ろ盾となる。 新制度を最大限に活用し「お金を育てる」という視点で新たな教育費対策を始める家庭が増えることが期待される。 18歳未満への解禁は、子ども名義での資産運用体験を通じて、成人後にNISA口座をスムーズに継続することにつながる。若年層の金融リテラシー向上と資産形成へのハードルを下げる効果も期待されている。 一方で、親の所得や金融リテラシーによって、子どもが成人した際のスタートの資金額が大きく異なることから、格差がより広がる可能性もはらんでいる。 Related... 事業の成長が社会的インパクトに繋がる。メルカリがインパクトレポートで伝えるサステナビリティ 【新NISAで、オルカン・S&P500の次を探している人に】アナリストが選ぶ「私のミライ投資銘柄」食の5選 「オルカンとS&P500なら安全は、ウソです」。投資のカリスマ・中野晴啓氏が語る、新NISA時代に知るべき“投資の本質” ...クリックして全文を読む