アメリカ・コロラド州ボルダーにある「国立大気研究センター(NCAR)」の研究所(2025年7月7日) アメリカのトランプ政権が、コロラド州にある世界トップクラスの気候・気象研究機関「国立大気研究センター(NCAR)」を解体する意向であることがわかった。 ホワイトハウス行政管理予算局のラッセル・ヴォート局長は12月16日、「全米科学財団(NSF)は、コロラド州ボルダーにある国立大気研究センターを解体する」と X に投稿した。 ヴォート氏は、「NCARは『気候アラーミズム(気候変動について事実以上に深刻な危機を煽ること)』を生み出している」とも主張。 「現在、包括的な見直しが進められており、気象研究などの重要な活動については、別の組織や場所に移管する予定だ」と述べた。 科学者は「国の能力を後退させる」 NCARは1960年に設立され、異常気象や大気汚染の予測精度の向上や、洪水氾濫モデル、干ばつ、森林火災、太陽風が地球に与える影響など、様々な研究を行ってきた。 全米科学財団に代わりNCARを運営している大気研究大学連合(UCAR)のアントニオ・ブサラッキ会長は16日、解体計画についての報道は把握しているが、現時点ではそれ以上の情報は伝えられていないと 声明 でコメントした。 ブサラッキ氏は声明で、NCARの研究は「アメリカが繁栄するために極めて重要で、人命と財産を守り、経済を支え、国家安全保障を強化する」と強調。 解体は「異常気象現象やその他の自然災害を予測し、備え、対応するという我が国の能力を後退させることになる」と指摘した。 トランプ政権は発足以来約1年にわたり、環境政策を後退させてきた。 ほとんどの科学者が「気候変動は現実に起きており、地球や人類を脅かす」と警鐘を鳴らす中、トランプ氏は9月の国連演説で気候変動を「世界における史上最大の詐欺」と 呼んでいる 。 ハフポストUS版 の記事を翻訳・編集しました。 Related... トランプ政権が「ジングル・ベル」の替え歌で移民排除を強調。クリスマス動画に「残酷だ」の声 死亡したロブ・ライナー監督を「トランプ錯乱症候群」とトランプ大統領が根拠なく主張。「怒りが原因で死んだ」 トランプに投票したコメディアン、大統領を痛烈批判「こんなはずじゃなかった」 ...クリックして全文を読む