ドンキから「超巨大スマホ」が新登場。27インチ、AndroidOS搭載でタッチ操作可能。驚きの使い勝手とは?

ドン・キホーテに行くと、思わず二度見してしまうユニークな商品がたくさんある。ドンキのオリジナルブランド「情熱価格」から11月28日に発売された「まるででっかいスマホ」(税込8万7978円)も、そんな商品の一つだ。 見た目はテレビに近く、仕様はPCモニターに近い。しかしAndroidOSを搭載し、操作性はスマホそのもの。XやInstagramといったスマホアプリも利用可能で、マイク&カメラ付きでオンライン会議もできる。その名の通り、「スマホをそのまま巨大化した新たなデバイス」だ。 さらに、キャスター付きで家の中を自由に移動できるため、既存の家電ディスプレイには収まらない不思議な存在感を放っている。開発担当の鷲津啓介さんは、この商品を単なる売れ筋ではなく、あえて「チャレンジ枠として扱っている」と話す。狙いと開発の経緯を聞いた。 「まるででっかいスマホ」開発担当者の鷲津さん きっかけは、4年前の「地上波が見れないテレビ」 商品化について語るには2021年、「 ネット動画専用スマートTV(現・チューナーレススマートTV) 」の発売までさかのぼる。これは「ネット動画をスマホより大きい画面で見たい」という要望に応えるため、あえて地上波放送を受信するチューナーを外すという大胆な設計を採用した商品だ。 発売直後は「テレビなのに、地上波番組が見られないなんて!」と、疑問視する声が少なくなかった。しかし想定を超える反響があり、YouTubeやNetflix、Amazon Primeなど動画サービスで活用され、累計7万台を超えるヒット商品となった。 この経験を通じて、同社の家電ディスプレイ開発チームは「テレビの前で放送を見る」という従来の視聴スタイルが当たり前ではないことを確信した。一方で、生活者からは「スマホのアプリもそのまま使えたらいいのに」という新たな要望も届いたそう。 「この声に応えたい思いはありましたが、当時はスマホ用OSを大画面で安定して動作させる技術やコストが整っていませんでした。ただその間に、リモートワークが広がり、オンライン動画を見る時間が増えるなど生活スタイルは急速に変わっていきました。技術面の課題は残っていましたが、ユーザーの期待がそれを上回り、開発へ踏み切る決断につながったのです」 「テレビ×タブレット×モニター」 2024年、モバイルバッテリーの高効率化や無線伝送技術の進化によって、商品化に動き出した。しかし、開発チームが直面していたのは技術課題だけではなく、現代の生活導線そのものが持つ「矛盾」だった。 家庭内にはすでにテレビ、タブレット、PCモニターなど複数のディスプレイが存在している。用途ごとに最適化されたこれらの機器は便利である一方、生活空間における動きやすさを固定化してしまう側面があったという。 「例えば、テレビは大きいけれど頻繁には動かせない。タブレットは便利だけれど長時間見るには画面が小さい。つまり用途が固定化されているため、ユーザーは無意識のうちに場所に縛られてしまっている状況なのです」 結果として、「動画を見るならリビング」「作業は書斎」「レシピはキッチン」というように、ユーザーがデバイスに合わせて移動する生活になっていた。 そこで開発チームが発想したのが、「スマホの使い勝手のまま、大画面化する」というアプローチだった。持ち運びやすさと据え置き型ディスプレイの迫力、その中間を埋める存在として、27インチというサイズが選ばれた。 タップやスワイプもスマホ並みにスムーズだ 大画面で「資料表示」と「オンライン会議」を同時に行える 「まるででっかいスマホ」は、用途を限定しない仕様になっている。OSにはAndroid15を採用。スマートフォンの操作性をそのまま27インチの大画面に広げ、Google Playストアのアプリもダウンロードできる。 加えて、本体を支えるキャスター付きスタンドは最大約4時間稼働(※使用環境による)の充電式バッテリーを内蔵しているため、電源ケーブルに縛られることなく部屋を移動できる。 例えば、キッチンでレシピ動画を見ながら調理したり、ベッドサイドで映画鑑賞したり、さまざまな場所・用途で使えるのが魅力だ。 画面は縦横に回転でき、2画面表示にも対応しているため、資料とメモ、動画とチャット、SNSとブラウザなど、用途を組み合わせた「ながら使い」もしやすい。カメラとマイクも搭載しているため、LIVE配信やオンライン会議もできる。 オンライン会議やキッチンでのレシピ閲覧、子供部屋での学習動画、ベッドサイドでの映画鑑賞、フィットネス動画を見ながらの宅トレ、SNSチェックなどさまざまな用途で使える 「第四の家電ディスプレイ」を目指す 今後は、画質の4K対応や音響性能の向上など、さらなる改良を進めていく予定だ。 「これまでの家庭にあるディスプレイ機器は、テレビは鑑賞、タブレットは操作、モニターは作業といったように、用途によって使い分けられてきました。 私たちは、そうした役割を1台にまとめた『まるででっかいスマホ』を『第四の家電ディスプレイ』と位置づけています。そして、家事や仕事、娯楽などの生活シーンをよりなめらかにつなぐ、新しい価値を届けていきたいと考えています」 【あわせて読みたい】 大丸松坂屋の“ファッションサブスク”が会員36万人突破⇨働く女性の「また同じ服」問題を救う?人気の理由とは Related... 「ZEH(ゼッチ)」とは?基準や補助金は?新定義で何が変わる?積水化学工業が語る“次世代の住まい” ドンキの「全身長向け自転車」が半年で2500台突破!⇒135〜180cmまで乗れて買い替え不要。開発背景を聞いた 「銀だこ」の“秘境駅直結”温泉とは?群馬の山奥に3万坪のリゾート開発。“たこ焼一筋”経営から転換の理由 ...クリックして全文を読む