<抗議デモが続くミネアポリスにトランプが軍投入を示唆して緊張が高まる中、ロック界のレジェンドが「プロミスト・ランド」を熱唱> 米国の伝説的ロッカー、ブルース・スプリングスティーンが1月17日夜、ニュージャージー州レッドバンクで開催された慈善イベント「ライト・オブ・デイ」コンサートにサプライズ出演し、75分にわたる熱演でトランプ政権の移民政策を痛烈に批判した。 【動画】スプリングスティーン、怒りのメッセージ スプリングスティーンは1978年の代表曲「プロミスト・ランド(約束の地)」を、1月7日にミネソタ州ミネアポリスでICE(米国移民関税執行局)捜査官に射殺された3児の母で米国市民のレニー・ニコル・グッドに捧げた。 重武装し覆面をした政府部隊が市民に暴力を振るうトランプ政権の手法をナチス・ドイツの秘密国家警察「ゲシュタポ」になぞらえ、ミネアポリス市長ジェイコブ・フレイ(民主党)が「ICEは街から出ていけ」と訴えた発言を、満員のコンサート会場で繰り返した。 この発言は、スプリングスティーンが昨夏にEストリート・バンドとの欧州ツアーを終えて以来、最も明確な政治的メッセージとなった。彼は同ツアー中、ドナルド・トランプ政権を「腐敗し、無能で、反逆的だ」と、公然と批判していた。 ===== トランプはこれに対し、SNS「トゥルース・ソーシャル」に「過大評価されているブルース・スプリングスティーンが、外国に行って米国大統領を侮辱した。昔から彼も音楽も嫌いだし、急進左派の政治も受け入れられない。そもそも才能のない奴だ──厚かましくて、不快なやつ...この干からびたロッカー(皮膚がシワシワだ!)は黙っているべきだ」と投稿した。 一方、フライ市長や多くの民主党関係者は、捜査官によるグッド射殺が正当防衛だったというトランプ政権の主張を否定。事件の映像もSNSで拡散しており、射殺は「暴挙」だったと強く非難している。 スプリングスティーンは、米国の可能性を称える「プロミスト・ランド」を「不完全ながらも美しいこの国、そして将来あるべき国」に捧げたと語ったと、NJ.comは伝えた。 「重武装のマスク姿の連邦部隊が米国の都市に侵入し、市民にゲシュタポ的な暴力を振るうことに反対し、政府に抗議する権利を行使しただけで殺されるべきではないと考えるなら、大統領にメッセージを送ろう」と訴え、観客の喝采を浴びた。 国土安全保障省は今月、ミネアポリスを含むツインシティーズ地域に数千人の連邦職員を投入し、連日市民による抗議が続いている。 ===== 「ワシントン・ポスト」によると、国防総省はアラスカの第11空挺師団から約1500人の現役兵を待機させており、トランプが19世紀の「反乱法」を発動する可能性に備えているという。 フライ市長は18日にCNNに出演し、「現役兵の投入はばかげているし、完全に違憲だ」と述べ、抗議活動は平和的に行われていると強調した。ミネソタ州知事ティム・ウォルズは連邦の軍事介入を牽制するため州兵を動員したが、現時点で出動は行われていない。 【関連記事】 「不法移民からアメリカを守る」ICEが市民を射殺、証拠映像が示す「国内テロ」「正当防衛」のウソ これがアメリカ!? 悪名高いICE(移民関税執行局)のやり口をカリフォルニアの弁護士らが提訴 ===== 【動画】スプリングスティーン、怒りのメッセージ