不同意性交の罪に問われた復興ボランティア団体代表、無罪が確定。検察は控訴せず

前橋地裁(2025年1月撮影) 20代の知人女性に対する不同意性交の罪に問われた復興ボランティア団体代表の50代男性=福島県南相馬市=の無罪が確定した。前橋地検は、控訴期限の3月16日までに控訴しなかった。 NHK によると、前橋地検の神谷雄一郎次席検事は、「上級庁とも協議したが、判決を覆すことが困難と判断した」とコメントした。 裁判の経緯は 被告の男性は、2024年7月に群馬県太田市内のビジネスホテルで、ボランティアの一人である20代の知人女性と二人で飲酒中、「(胸を)見せろ、触らせろ」「ブラ外せ」などと繰り返し言い、性的行為を予想していなかった女性を恐怖・驚がくさせ、同意しない意思を全うすることが困難な状態にさせて性交したとして、不同意性交の罪で起訴された。 被告は裁判で、「嫌がる行為をしたという認識は全くなかった。(女性の)同意があったと思っている」として否認し、無罪を主張していた。 前橋地裁の髙橋正幸裁判長は2026年3月2日の判決で、「(女性は)2次会の途中から被告人に何度も胸のサイズを聞かれ、3次会でも胸のサイズの話をされたほか、ボランティア関係者を10人以上抱いたことがあるなどの被告人の発言を聞いていた」ことや、「3次会終了後の時点で被告人が既にかなり酔っていると感じていた」旨を女性が証言したことに言及。 その上で、「 そのような状況下で男性が女性をホテルの部屋に誘うことは、一般的にいえば、性的行為をすることを目的としている場合が少なくなく、そのことを当該女性も認識することができるといえる 」と述べた。 女性は証人尋問や意見陳述で、「情熱を持って地域のために活動する被告を、人として尊敬していた」「被告からは、震災で亡くなった娘さんと私を重ねる発言をされたこともあり、性的なことをされるという考えが頭の中に全くありませんでした」などと法廷で証言し、被告に対する尊敬や信頼を語っていた。 これについて、地裁判決は「 当時25歳で相応の社会人経験を積んでいた女性において、いくら復興活動の点で尊敬していた被告人を信頼していたとはいえ、本件客室で二人きりで飲み直しても性的行為をされるとは全く予想していなかったというのは、不自然さを否めない 」として、女性の主張を認めなかった。 髙橋裁判長は、「女性の証言は信用できず、女性が本件当時、被告人に恐怖・驚がくさせられたことにより被告人と性交をすることに同意しない意思を全うすることが困難な状態にあったと認めるには合理的な疑いが残る」と結論づけ、男性に無罪を言い渡した。 女性は判決前に、警察に相談してから捜査・裁判という一連の刑事手続きで、警察官や検察官、被告の弁護人からの無配慮な言動に苦しんだといい、「被害を訴えた人が安心して発言できる環境づくりをしてほしい」とハフポストの取材に 話していた 。 控訴期限の2日前の3月14日には、「性暴力の被害者心理への理解に欠ける」などとして、無罪判決に抗議して検察に控訴するよう求めるオンライン署名の呼びかけが 開始 。17日午前10時半時点で、1万2000以上の賛同が寄せられている。 【判決の詳細はこちら】 復興ボランティア団体代表に無罪判決。知人女性への不同意性交の罪に問われていた 前橋地裁 Related... なぜ、性被害に遭った人が「加害者におもねる」ことがあるのか。「最も典型的」とされる「エントラップメント型」のプロセス レイプ神話レベルの「経験則」が染み付いた法曹界。裁判官や捜査員による二次加害をなくすために必要なこと 性被害を訴えた女性「裁判であれば全て正当化されるのか」。語った捜査と裁判の問題点【復興ボランティア無罪判決】 ...クリックして全文を読む