高市首相、選択的夫婦別姓で「家族の一体感は戸籍上の同氏」と回答⇒「私の家族はおかしいのか?」と問われる

参議院予算委員会で発言する高市早苗首相(2026年3月16日) 「氏が違う私の家族はおかしいのか」――選択的夫婦別姓の導入を拒み続けている高市首相が、立憲民主党の蓮舫議員から問われた。 高市氏は3月16日の参院予算委員会で、蓮舫氏に「選択的夫婦別姓に賛成か反対か」を問われて、「慎重な立場」と回答。 選択的夫婦別姓ではなく、旧姓を通称使用する人の「利便性を高めていくべき」という考えを示した。 【全文】 選択的夫婦別姓について質問した蓮舫氏の3月16日参院予算委質疑 高市氏は過去に、選択的夫婦別姓に反対する理由を「家族一体とした氏は残したい」などと 説明 してきた。 16日の質疑では、蓮舫氏から「戸籍による家族の一体感とは何なのか」と質問され、高市氏は「戸籍において夫婦親子が同氏であるということ」と回答した。 これに対し、蓮舫氏は、夫婦同氏になったのは「家制度」が導入された 1898年(明治31年) からで、夫婦別姓の方が日本古来の伝統ではないかと指摘。 さらに、「通称使用が定着すれば、公私の場で夫婦や親子の名字は異なることになり、戸籍だけ同氏だがそれは家族の一体感なのか」と質問した。 高市氏はこの質問に「私は今家族の一体感にこだわっているわけではない、家族の一体感ということよりも戸籍上の同氏」と答え、自身が旧姓を使用した経験を引き合いに出して「旧姓を使用する人の不便をもっと解消する必要がある」という考えを述べた。 戸籍上の夫婦親子同氏にこだわる高市氏に、蓮舫氏は「私の両親は国際結婚だ」と説明。 「小さい頃から父と母の名字が違うことに違和感はなく、周りからはおかしいと言われたこともない。両親は愛情を持って育ててくれたが、親子、夫婦の氏が違う私は家族的におかしいのか?」と尋ねた。 高市氏はこの質問には直接的には答えず、最近の世論調査などから旧姓の通称使用の拡大法制化を支持する人が多いと主張。 「まずは旧氏を通称で使いたいと思われる方を便利にするということに取り組みたい」と、改めて夫婦親子同氏へのこだわりを見せた。 参院予算委員会で質問する立憲民主党の蓮舫氏(2026年3月16日) 旧姓の法制化でも解決されない問題 旧姓の使用が法制化されても、夫・妻の両者が結婚前の戸籍上の名字を維持し続けたいと望むカップルの問題は解消されない。 結婚時の改姓は 94% と圧倒的に女性に偏っており、その中で改姓を望まない人たちは、銀行口座や公的書類などの名義変更だけではなく、アイデンティティ喪失の不利益も被っている。 こういったカップルが法律婚ではなく事実婚を選んだ場合、税制や相続面で不利益が生じるほか、生まれた子どもは非嫡出子となる。 蓮舫氏はこの問題を指摘して「この方たちが抱えている不便、不利益にも対応するのが政治だと思うが、それでも別姓は認めないか?」と尋ねたが、高市氏は「まず必要なのは、旧氏を通称使用しておられる方の利便性を高めようとすること」と繰り返した。 公的書類、旧姓「のみ」で発行できる? 現在、 住民票やマイナンバーカード 、 運転免許証 、 パスポート などの公的書類は、旧姓と改姓後の名字を併記できるようになっている。 政府は旧姓の使用拡大により、旧姓の「併記」ではなく「単記」できるようにすることを目指すとしている。 黄川田仁志男女共同参画担当相は3月13日、公的書類への旧姓の「単記」の法制化を含めた基盤整備を「第6次男女共同参画基本計画」に盛り込んだと 記者会見 で発表。 「旧氏使用を法制化し、単記も可能とする取り組みが進むことによって、社会生活で不便や不利益を感じる人をさらに減らすことができる」と述べた。 ただし、すべての公的書類で旧姓単記が実現するというわけにはいかなさそうだ。 黄川田氏は16日の予算委員会で、「住民票、マイナカード、パスポート、免許証も旧姓単独で表記できるか」と蓮舫氏に尋ねられ、「マイナンバーカードや運転免許証といった厳格な本人確認に用いられる書類については、戸籍上の氏と旧氏の併記を求めるという検討も当然必要となると考えている」と回答した。 またクレジットカードの契約や証券口座開設については、経済産業省や金融庁の担当者が、旧姓のみで対応している業者は現在確認できていないと回答した。 黄川田氏は「銀行や証券会社の口座開設、クレジットカード発行は全部旧姓単記でできるように検討しているのか」という蓮舫氏の問いに対しては、「業界団体等にしっかりとヒアリングを行いながら、現状や課題などについて、制度面での対応を検討してまいりたい」と答えるにとどめた。 Related... 【全文】選択的夫婦別姓について質問した蓮舫氏の3月16日参院予算委質疑 高市氏の“旧姓の通称使用”法制化が「愚策」である理由。「選択的夫婦別姓を妨害するためのツール」 選択的夫婦別姓で、地方議会にも圧力をかけてきた高市早苗さん。「旧姓使用でも困らない」のに夫が高市姓になったのはなぜですか? ...クリックして全文を読む