米テロ対策センターのジョー・ケント長官(2025年12月11日) 米テロ対策センター(NCTC)長官のジョー・ケント氏が3月17日、トランプ大統領による対イラン戦争に抗議して辞任した。 ケント氏はトランプ大統領宛ての辞表の中で、根拠を示さずにイランへの軍事作戦で「アメリカはイスラエルに利用された」と主張。 「良心に省みて、私は現在進行中の対イラン戦争を支持できません。イランは我が国に差し迫った脅威を与えていません。この戦争がイスラエルと、アメリカ国内でのイスラエルの強力なロビー活動による圧力で始まったことは明らかです」と述べている。 【全文】 イスラエルを批判し、イラン戦争に抗議するジョー・ケント氏の辞表 トランプ氏がイスラエルとともに始めたイランへの軍事作戦では、これまでに米軍の兵士13人が死亡し、約200人が負傷している。 ケント氏は退役軍人で、米海軍情報局の任務中だった2019年に、妻のシャノンさんをシリアでの自爆テロで失っている。 ケント氏は辞表の中で妻の死にも触れて「アメリカ国民に何の利益ももたらさず、米兵の命という犠牲を正当化できない戦争に、次の世代を送り込み、戦わせ、死なせることを支持できない」と述べている。 さらに「イスラエルはアメリカをイラク戦争にも引きずりこんだ」とまで主張しているものの、トランプ氏の責任には言及していない。 むしろトランプ氏をイスラエルの嘘による被害者であるかのように描写し、イラン戦争を考え直すよう求めている。 ケント氏はどんな人物か ケント氏は元アメリカ陸軍特殊部隊員で、これまでに反移民や白人ナショナリズム的な言動を 批判 されてきた。 同氏は「2020年の大統領選挙は盗まれた」という陰謀論などに賛同することで、トランプ氏から高く評価されるようになった。 トランプ氏はケント氏が2022年にワシントン州での連邦議会選挙に立候補した際に支持を表明し、「この人物には素晴らしい将来がある。非常に特別な人だ」と 称賛した 。 この選挙で、ケント氏は右派過激主義者との関係が問題になり、「ヒトラーは多くの人に誤解されている複雑な歴史的人物だ」と発言したことが 報じられている 。 また、予備選挙で共和党議員を破ったものの、本選挙では民主党の候補に敗れた。 ケント氏は2024年の選挙でも同じ民主党候補に敗北した。しかしこの年に大統領に再選したトランプ氏は、ケント氏を米テロ対策センターの長官に指名した。 トランプ氏は2025年2月3日の投稿で「ジョーは、世界中のジハード主義者からアメリカの裏庭のカルテルに至るまで、あらゆるテロを根絶することでアメリカの安全を守る手助けをしてくれるだろう。おめでとう、ジョー!」と述べていた。 ケント氏は2025年夏に上院で52対44でテロ対策センター長官に任命された。 トランプ氏「辞めたのはよかった」 熱心なトランプ支持者として大統領に国家安全保障の要職に任命されたケント氏だが、今回の辞表に書かれた主張、特に「イランは差し迫った脅威ではなかった」という考えに、政権は強く反発している。 ケント氏が辞任してから数時間後、トランプ氏は「彼のことをよく知らない」と、これまでの言動とは矛盾するコメントをした上で「安全保障の面では常に弱いと思っていた。非常に弱かった」と記者団に語った。 トランプ氏は「彼が辞めたのは良いことだ。イランは脅威ではなかったと言ったからだ。イランは脅威だ」とも主張している。 ホワイトハウスのレビット報道官も「トランプ大統領がこの決定を他者、ましてや外国の影響に基づいて行ったという主張は、侮辱的でばかげている」と X に投稿した。 ハフポストUS版 の 記事 を翻訳・編集しました。 Related... 【全文】イスラエルを批判し、イラン戦争に抗議するジョー・ケント氏の辞表 トランプ、日本などがホルムズ海峡に「喜んで」艦船派遣しないことに不満。NATOも「我々が始めた戦争ではない」と冷ややかな反応 トランプ、石油価格上昇は「アメリカにとって良い」と主張。「大きな利益を得られる」 トランプ、イラン攻撃で米軍死者がさらに増える可能性があると示唆。「悲しいことにそれが現実だ」 トランプ政権、任天堂「Wii Sports」を使った戦争プロパガンダ動画を投稿。攻撃を称賛して正当化 ...クリックして全文を読む