東京・新宿でミシュランガイドやビブグルマン(ミシュランが認定した「価格以上の満足感が得られる料理」)に選ばれた香港料理が食べられることをご存じでしょうか。 まず、新宿中央通りにあるのが「 タムジャイサムゴー(譚仔三哥) 」です。 日本での1号店がこの新宿の店舗で、オープンしたのは2022年3月とのこと。その後、吉祥寺店、恵比寿店がオープンしました。なんでも海外展開を精力的に行ってきた丸亀製麺のトリドールが展開しているといいます。 何を提供しているお店かというと、米線(ミーシェン)という米から作られた麺のお店で、スープや辛さ、さまざまなトッピングを組み合わせると、100万通りになるといいます。ビブグルマンの香港・マカオ版で2011年から3年連続で選ばれていたそうですが、実は私は香港でも行ったことはありませんでした。 香港のものならなんでも飛びつく自分なのですが、なぜかこのお店に行く機会がなく、今回初めて足を運びました。 上品な麻辣湯(マーラータン)? マーラーのスープにフィッシュボール、うずら、チンゲン菜などをトッピング。香港風の肉味噌も 新宿の店舗は、2022年にできたというだけあって、まだ新しい雰囲気があり、清潔でオシャレな感じ。基本、2人席なので、お昼時や会社帰りなどにさくっと立ち寄って食べて帰るというイメージでしょうか。 オーダーとしては、マーラー、トマト、サーサー、ウーラー、クリア、サムゴーサンラー、サンラーというスープと辛さのレベルを選び、その上で野菜や肉類、海鮮などのトッピングを追加してオーダー。注文はすべて、携帯からできるようになっていました。 私は、マーラーのスープにフィッシュボール、うずら、チンゲン菜などをトッピング。香港風の肉味噌なんかもつけました。 味は、おいしいお店の上品な麻辣湯(マーラータン)という感じ。これなら、新宿で用事があったとき、帰りにさくっと寄ってもいいかなと思いました。麺は米麺のみというのが、麻辣湯の店とは違うところでしょうか。 肉味噌は初めて食べましたが、以前紹介した松山の 「でゅえっと」のミートソース くらい甘味があっておいしいです。麺にのせるだけではもったいなくて、ごはんもオーダーしてしまい、お腹がいっぱいでした。 私よりも先にこのお店を利用していた友人は、ここのレモンティーがいいと言っていました。なんてことはない、香港の甘くてレモンの輪切りが何枚も入ったレモンティーですが、これがまぎれもなく“香港”のレモンティーなんです。気軽に香港気分を味わいたい人にはおすすめです。 香港の独特の香りが漂う人気店 香港気分が味わえるレモンティー 新宿にはもうひとつ、香港のミシュランガイド掲載店があります。それは、新宿南口サザンテラスにある「 ティム・ホー・ワン(添好運) 」。“世界一安いミシュランレストラン”というのが、このお店のキャッチコピーのようです。 日本に上陸したのは2018年4月のこと。1店目は東京・日比谷シャンテ別館で、次に新宿サザンテラス店ができました。 こちらのお店は、日本にできる前から噂は聞いていました。香港では、セントラルや深水埗にあって、安くておいしい点心が食べられるということで大人気でした。 日本でも日比谷店や新宿店ができたときは、ものすごい行列。しかも、中華圏からの観光客も多かったというのが、本場での愛され度を物語っています。 このお店には開店当初から行っていたのですが、16時過ぎなどの、お昼ご飯でも夜ご飯でもない時間を狙っていくと比較的すんなり入れました。今では、そこまで行列がすごいわけではないけれど、それでもいつ行っても人気のようです。 それもそのはず、やっぱり安定したおいしさがあるし、しかも香港らしい味がするのに、それにしては安いというのがあるのではないでしょうか。今、いろんなお店で気軽に点心は食べられるけれど、なんかあっさりしているというか、独特の香りみたいなものに欠けているように感じるからです。 だから今でも、思い出すと「ティム・ホー・ワン」に行きたくなってしまいます(※)。 ※この原稿を書き終わったタイミングで、新宿の「ティム・ホー・ワン」が3月31日で閉店になるという張り紙が貼ってあったことを知りました。残念ですが、今後は日比谷店を利用しないとですね。 「叉焼飯」だけではない香港料理 新宿にはもうひとつ、職安通りの雑居ビルの2階に「 香港料理 新仙(しんせん) 」というお店があります。4年連続ミシュランに選ばれ、香港で60年間、肉の煮込み料理を提供してきたお店です。 塩、マーラー、カレー、醤油の4種類の煮込みがあり、ご飯とあわせて定食として食べたり、ラーメンにのせたものを食べたりできます。 2022年に日本初上陸とのことで、私もオープンしてすぐに食べに行きました。こちらも店内に雑多なところがないので、香港のお店という感覚があまりありません。でも、地元の人が愛するお店が必ずしも「香港」というイメージを背負っているわけではないのかもしれません。 そのときに食べたのは塩味の煮込みでしたが、ちょっとたんぱくで、そのわりに量が多いので、ご飯を食べるには物足りない感じはしましたが、味としては非常においしかったです。定食についてきたマーボー豆腐もおいしかった。 2度目は去年行きました。前回の塩味が個人的に物足りなかったので、茶色い醤油味を頼みました。こちらも、色がすごく濃いわりには、味はそこまで濃いわけでなく、上品な感じでした。次はマーラーやカレーにも挑戦したいものです。 私たちの周囲だけかもしれませんが、映画『トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦』の人気によって、香港料理に注目が集まっています。ただ、映画が公開された2025年以前にオープンしていて、特に「叉焼飯(チャーシューハン)」や「雲吞麺」がないお店はどうしても、選択肢として後回しになってしまいがちです(私がそうでした)。点心に関してはなじみがありますが、今回紹介した3店は「香港にはこういう味もあるんだな」ということを体験できるお店だと思います。 (文: 西森路代 編集: 毛谷村真木 /ハフポスト日本版) Related... 大ヒット映画「トワイライト・ウォリアーズ」で話題の「叉焼飯」。香港料理の名店で食べて、そして作ってみた ドラマ「じゃあ、あんたが作ってみろよ」が面白い。人間はなぜ「食べること、作ること」から自由になれないのか いま話題の麻辣湯(マーラータン)、専門店が続々オープンする中国発祥のスープ料理のお味は? ...クリックして全文を読む