ハフポスト日本版
サンリオピューロランドは3月、アクセシビリティ向上のため障害のある当事者を招いた体験トライアルを実施した 東京・多摩市の「サンリオピューロランド」で、運営会社のサンリオエンターテイメントと、クリエイティブカンパニーのヘラルボニーが共創プロジェクトを開始し、障害のある人が安心して楽しめるテーマパーク作りに取り組む。 実装は2027年春を見据えており、それに先駆け3月21日に、障害のある人を招いた体験トライアルを実施した。 エンタメ施設のアクセシビリティ対応、まだ十分でない ヘラルボニーは、障害のイメージ変容と福祉を起点に新たな文化の創出を目指している。主に、知的障害のある作家とライセンス契約を結び正当なロイヤリティを支払った上で、作品をデジタルデータ化して自社のIP(知的財産)として管理するビジネスを行っており、自社ブランドや、企業との共創やクリエイティブを通じた企画・プロデュースを展開。 同社の 発表 によると、サンリオエンターテイメントと共創プロジェクトを始めた背景には、誰もが安心して楽しめる環境づくりへの関心が高まる一方で、「テーマパークやエンターテインメント施設におけるアクセシビリティ対応は、まだ十分とは言えない状況にある」との考えがあったという。 サンリオエンターテイメントでは、「みんななかよく」の理念のもと、「誰もが楽しめるテーマパーク」の実現を目指している。 2社は2025年10月、大分県のサンリオキャラクターパーク「ハーモニーランド」で、インクルーシブパーク体験イベント「Harmony for the Future -みんなで未来のためにできること-」を開催。ろう者や、視覚、身体、知的障害のある人がパレードを体感できるツアーなどを行った。 ハーモニーランドでは、インクルーシブパーク体験イベントも開催。ヘラルボニー契約作家fuco:さんによる作品「ドチラカラデモ」とキティのコラボも ピューロランドではすでに、アトラクションの長時間の待機が困難な人に向けた「ハートフルサービス」の提供や、セリフを使わないノンバーバルなショー「びょんわぁ~beyond words~」などを展開。ハーモニーランドでの取り組みをもとに、ピューロランドにおいても今後、障害のある当事者クリエイターや専門家とともに、実装可能性を重視したインクルーシブデザインをさらに推進していくという。 ぬいぐるみに触れ、情報保障ツールも活用 3月21日にはサンリオピューロランドで、 ろう者や、視覚、身体、知的障害のある人をモニターとして招き、実際のパレード鑑賞体験を通じて、アクセシビリティ向上のための取り組みの検証を行った。 パレード鑑賞前には、スタッフが登場キャラクターやストーリー、演出について紹介。視覚障害のある人がイメージしやすいよう、キャラクターのぬいぐるみに触れてもらいながら説明を行ったという。パレード鑑賞時には、字幕・手話演出ガイドや音声ガイドなどの情報保障ツールを活用し、障害の特性に合わせたサポートを提供した。 視覚障害のある人がイメージしやすいよう、キャラクターのぬいぐるみに触れてもらいながら説明を行った パレード終了後にはフィードバック会を実施し、感想や改善点について意見を募った。実際に体験した当事者からは、以下のコメントが寄せられ、同社は「今後の取り組みの改善と発展につなげてまいります」としている。 ・事前にパレードの内容やキャラクター説明などがあったことで、心構えと行動予定を立てることができ、安心してパレードを鑑賞することができた。約25分間のパレードを鑑賞できるか不安でしたが、最後まで鑑賞できて嬉しかった。 ・今回のトライアルを通して、来場のハードルが少し下がった。車いすでの移動の際に、通路の幅の制限や案内表示の位置が高く見えづらいなどの課題を感じた。 ・字幕や手話演出ガイドの情報保障ツールがあることで、パレードの内容を理解することができ、周りのゲストと一体となって楽しむことができた。キャラクターやライブエンターテイナーのダンスや笑顔に引き込まれ、手話演出ガイドとパレードを並行してみることが難しかったので、字幕のみなど必要な情報を選択できると更によくなるのではと感じた。 同プロジェクトには、ヘラルボニーのスタッフである阿部麗実さん、鈴木萌菜さん、鍋島花苗さん、國分さとみさん、藤井愛麗さんのほか、アクセシビリティ監修としてブラインド・コミュニケーターの石井健介さん、車いすユーザーで俳優の丸山晴生さん、手話演者として俳優・手話エンターテイナーの那須映里さん、手話監修としてNHK「みんなの手話」などに出演する佐沢静枝さんが参加。字幕・音声ガイド制作はPalabra、鑑賞サポートアプリはUDCast for Business、センサリーフレンドリーバッグ提供は乃村工藝社未来創造研究所がそれぞれ担当した。 また、 ピューロランドでは、ヘラルボニー契約作家fuco:さんによる作品「ドチラカラデモ」を起用したオリジナルアートグッズも販売。2025年にハーモニーランドで展開していたもので、Tシャツやステッカー、缶バッジなど、色彩豊かなアートとキャラクターの魅力を掛け合わせたデザインだ。 関連記事 新しい地図のファンミでも活躍する「コンサート手話通訳」。合理的配慮めぐり、エンタメ業界にも変化 帝国劇場のバリアフリー化、2万筆超の署名を受け取った運営会社・東宝の見解は? ろう者ではなく、役者として見てほしい。ドラマ『silent』の手話監修が「聞こえないミュージカル俳優」になるまで ...クリックして全文を読む
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