ハフポスト日本版
少子高齢化などで、物流業界では慢性的な「ドライバー不足」が問題となっている。引越し業界でも人手不足は深刻な課題だ。 サカイ引越センターはその対応策として、海外でドライバーを育成し、来日前から日本基準の安全運転や交通ルール、日本語の教育を一体的に行う仕組みの構築に乗り出した。 インドネシアで日本式の自動車教習所を展開する企業などと連携し、現地に引越し業分野のドライバー人材育成拠点「サカイアカデミー」を開講する。 インドネシアで日本式ドライバー教育→日本での活躍目指す 現場では外国人のドライバーと日本人スタッフがチームで業務に当たる サカイ引越センターは3月、インドネシアの人材送り出し機関「PT. MINORI」と、現地で海外人材の教育事業を行う「PT DAISAN MINORI INDONESIA」とアカデミー開講に向けた協力覚書(MOU)を締結したと発表。 三社がそれぞれの強みを活かし、採用、教育、就業後の定着支援までを一体的に推進することを目指す。 左から、 PT DAISAN MINORI INDONESIAの藤田武敏代表取締役社長、PT. MINORIのサカイ引越センターの田島哲康代表取締役社長、A・ワヒュー・ウィジャヤ代表取締役社長。アカデミー開講に向けたMOUを締結した際の様子 インドネシアの西ジャワ州ブカシ県で6月頃に開講予定のアカデミーでは、日本語教育や交通ルール、安全運転といった基礎教育など、引越業務に必要な技能・接遇を、インドネシア現地で体系的に学べるという構想だ。 「PT DAISAN MINORI INDONESIA」は2025年10月、西ジャワ州で日本式の自動車教習所「YUZURUドライビングスクール」を 開校 しており、サカイアカデミーも同スクールのプログラムを活用し、日本の自動車学校と同水準の安全教育を実施する。 プログラム終了後も、サカイ引越センター社内の運転試験をクリアした人だけがドライバーになれる仕組み。厳しい基準を設けることで、日本人社員と同様の安全基準とサービス品質を確保する。 日本で働き始めた後も、日本人スタッフとチームを組んで業務に当たる。 インドネシアで日本式の運転教育を行う 「YUZURUドライビングスクール」 サカイ引越センター「人材確保と育成は喫緊の課題」 海外での人材育成に乗り出した背景として、サカイ引越センターは人手不足への「危機感」があるとしてる。 「物流業界では慢性的な人手不足が続いており、将来を見据えた人材確保と育成が喫緊の課題となっています。一方、外国人ドライバーの受け入れに対しては、安全性や教育水準への不安の声も少なくありません。 当社では、こうした課題に正面から向き合い、『教育』と『品質』によって不安を解消することが不可欠であると考えています。今回の三社連携では、特定技能制度を活用し、来日前から日本基準の教育を実施し、日本で円滑に就業できる人材を育成することで、安全で安心なサービス品質の維持・向上と、外国人材の長期定着の両立を目指します」 公道での運転は、スタッフのみならず通行人の安全にも関わる。だからこそ、高度な運転技術と交通ルールの知識で、安心・安全な運用を目指す。 サカイ引越センターでは以前からインドネシア人の採用を行っており、2025年9月以降、41人が来日し働き始めている。アカデミーの開講により、入国してから現場で活躍するまでの期間短縮を図る。 今後の展望については、「関係法令および入管制度を遵守した上で毎年60名程度の採用を目標とし、5年後には総勢300名規模の特定技能ドライバー体制の構築を計画」としている。 サカイ引越センターで働くインドネシア人ドライバー 特定技能で外国人ドライバー続々。課題と対応策は 日本でのドライバー不足の背景には、少子高齢化のほか、働き方改革関連法によるドライバーの時間外労働の上限規制など様々な理由がある。 引越し業界に関しては、人手不足は引越し料金の高騰や、希望日に引越しができないなど、現状でも問題が発生している。特に3、4月など引越しが集中する期間は人手不足は顕著だ。 その他の物流業界でも、「モノが運べなくなる」という影響が起こっている中、対応策として、外国人ドライバーを起用する企業も増えている。 2024年には特定技能制度に「自動車運送業」が加わり、物流業界では今、外国人ドライバーの採用が増えている。その中で課題となっているのが受け入れ体制の整備や研修だ。 業界全体で、入国後の研修や定着支援も進められる中、サカイアカデミーのような、入国前の研修にも今後、さらに注目が集まりそうだ。 【あわせて読む】 命に関わるドライバーの仕事、外国人が「安全運転」を学ぶために何が必要?元通訳が考えたユニークな研修 Related... 命に関わるドライバーの仕事、外国人が「安全運転」を学ぶために何が必要?元通訳が考えたユニークな研修 社員の7割が外国人の日本企業、事業は在日外国人の“困りごと”解消。「日本に来てよかった」を目指す理由 「外国人材の受け入れはリスクではなくチャンス」日本のトップ企業が実践する“共に働き、成長する”ソリューションとは ...クリックして全文を読む
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