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オアシス、KADOKAWA株主に夏野剛CEOの「再任反対」を要請。「なろう系偏重」批判も飛び出し議決権争奪戦へ | Collector
オアシス、KADOKAWA株主に夏野剛CEOの「再任反対」を要請。「なろう系偏重」批判も飛び出し議決権争奪戦へ
ハフポスト日本版

オアシス、KADOKAWA株主に夏野剛CEOの「再任反対」を要請。「なろう系偏重」批判も飛び出し議決権争奪戦へ

「より強いKADOKAWA」資料より KADOKAWAの筆頭株主である香港の投資ファンド、オアシス・マネジメント(以下、オアシス)は5月20日(現地時間)、他の株主に対し、6月の定時株主総会で夏野剛代表執行役社長 CEOの再任に反対票を投じるよう要請したと 発表 した。 【画像】 辛辣な批判…オアシス側による夏野氏体制への疑問 オアシスは4月時点で夏野氏の解任を求める株主提案を提出しており、今回の呼びかけと特設サイトの 開設 により、本格的な議決権争奪戦(プロキシーファイト)へ突入した。会社側は新中期経営計画を掲げて提案に反対しており、6月24日の総会に向け双方の攻防が活発化している。 オアシスは4月17日付で夏野氏の取締役解任を求める株主提案を提出していたが、KADOKAWA側が5月14日に取締役会意見としてこれに「反対」することを 表明 。この会社側の対応を受ける形で、オアシス側が一般株主や機関投資家への直接的な働きかけに踏み切った格好だ。 「なろう系偏重」や「フロム売却」を巡る双方の論点 今回の対立において特に市場の関心を集めているのが、KADOKAWAのコア事業である出版・IP戦略の方向性だ。 オアシス側は、現経営体制が推進する「質より量」の戦略によって中核セグメントが弱体化していると指摘。いわゆる「なろう系(ウェブ小説発の異世界作品)」をはじめとする特定ジャンルへの過度な偏重が、作品の質の低下や現場の混迷を招いているのではないかという懸念を代弁する形となった。 これに対しKADOKAWA側は「事実に反する誤解である」と全面否定。現在は編集者1人当たりの出版点数を増やさずに売上を拡大する方針をとっており、過去5年間の1人当たり売上も伸張していると述べ、新中期経営計画でも適切な部数管理と高効率な販売を実現する戦略への転換を行うとした。 また、世界的なヒット作『エルデンリング』などを擁する子会社フロム・ソフトウェアの展開についても議論が起きている。オアシス側は、同社が世界的資産を持ちながらも自社によるグローバル・パブリッシング(自社販売)を十分に実現できておらず、収益化の機会を逃していると突いた。 一方のKADOKAWA側は、自社パブリッシングの成否はIPごとに収益最大化を目的とした戦略的判断を行った結果であり、批判は当たらないと一蹴。さらに、オアシス側が守秘義務に関わる契約内容の開示を求めていることに対し、取引先との信頼関係を損ないかねないと示している。 業績低迷への批判と構造改革の妥当性 「より強いKADOKAWA」資料より 財務指標や経営計画を巡る攻防も激化している。 オアシス側は、2021年3月期に77.42円だった1株当たり純利益(EPS)が、2026年3月期にはKADOKAWA側の主張(33.34円)を大きく下回る「8.71円」にまで急落する見込みである点や、自己資本利益率(ROE)の深刻な低迷をデータで暴露。こうした業績悪化のなか、目標達成時期を2032年3月期まで先送りした会社側の新計画を、事実上の「責任回避」であるとして非難の矛先を向けている。 これを受けてKADOKAWA側は、売上高の拡大など事業規模の成長には一定の成果が出ていると反論。市場環境の変化や原価高騰による営業利益の乖離は認めつつも、構造改革を経て2032年3月期に売上高4000億円を目指す新計画の推進には、夏野氏のリーダーシップが不可欠であると主張した。 さらに、過去の投資やガバナンスの評価についても平行線をたどる。オアシス側は、株式会社動画工房の買収に伴うのれん一括償却や「ところざわサクラタウン」の減損を経営失当として批判し、2024年の大規模サイバー攻撃による損失や下請法違反の勧告を挙げて内部統制の課題を追及している。 対するKADOKAWA側は、動画工房はアニメ内製化に不可欠な存在であり、サクラタウンの減損も夏野氏のCEO就任前に発生していた不採算事業を構造改革の一環として機動的に整理した結果であると説明。 サイバー攻撃についても、同氏が進めていたITインフラ刷新があったからこそ被害拡大を防げたと防戦に努めている。 6月の定時株主総会への影響 「より強いKADOKAWA」資料より オアシスの創設者セス・フィッシャー氏は、日本のコンテンツ産業が世界的に飛躍する重要な局面において「株主にはさらに6年間も待つ余裕はない」としている。 夏野氏自身が2023年の記者会見で「業績の拡大がうまくいかない場合、退任も当然視野に入ってくる」と発言していたことに触れ、今こそ経営陣の刷新が必要であると訴えている。 これに対しKADOKAWA取締役会は、夏野氏の主導する事業構造改革こそが中長期的な企業価値向上をもたらすとして、他の株主へ支持を求めている。国内外の機関投資家や個人株主がどちらの経営ビジョンを支持するのか、6月24日の定時株主総会に向けたプロキシーファイトの行方が注目される。 Related... 【画像】オアシス、KADOKAWA株主に夏野剛CEOの「再任反対」を要請。「なろう系偏重」批判も飛び出し議決権争奪戦へ オリオンビール、株主優待の拡充を発表。過去最高益で増配&優待を倍増。もらえるビールが2倍に イオンが株主優待を5月から拡充。「オーナーズカード」のキャッシュバックと合わせ生活防衛を強化 ...クリックして全文を読む

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