Collector
【NHK連続テレビ小説『風、薫る』】「また間違えた」りん(見上愛)は“否ドジっ子”。口癖から紐解くクレバーな主人公像 | Collector
【NHK連続テレビ小説『風、薫る』】「また間違えた」りん(見上愛)は“否ドジっ子”。口癖から紐解くクレバーな主人公像
ハフポスト日本版

【NHK連続テレビ小説『風、薫る』】「また間違えた」りん(見上愛)は“否ドジっ子”。口癖から紐解くクレバーな主人公像

一ノ瀬りん(見上愛) 3月30日にスタートした、見上愛、上坂樹里がW主人公を務める連続テレビ小説『風、薫る』。本作は、田中ひかる著『明治のナイチンゲール大関和物語』(中央公論新社、2023年)を原案としたオリジナル作品で、激動の明治、看護の世界に飛び込んだ二人の“トレインドナース”の冒険物語だ。 【動画】 話題の研ナオコさん初登場シーン 登場人物一人を毎回ピックアップする本連載の第1回で注目したいのは、主人公の一人で「明治のナイチンゲール」と称された大関和をモチーフとした一ノ瀬りん(見上愛)。 りんは栃木県の那須地域で元家老の長女として「のほほんと育った」17歳の女の子だ。物心ついた頃には父・信右衛門(北村一輝)は帰農し、暮らしは豊かではないが、母・美津(水野美紀)、妹・安(早坂美海)の家族4人で幸せに暮らしてきた。 東京の教会で孤児として育ったもう一人の主人公・大家直美(上坂樹里)に比べ、りんは比較的恵まれた境遇でのんびり育っただけに、幸せに疑問を抱いていない。そんな2人がまだ出会う前の話から本作はスタートする。 りんの面白さは「思ったことをすぐに口にしてしまう」ところ りんのキャラクターが色濃く見えるのは、第1話冒頭で妹とすごろくをするシーンだ。 りんは「奥様、来い! 奥様、来い!」と念じ、奥様のマスで止まると「やった! 奥様!」と盛り上がる。これは母親に「女はどこに嫁ぐか次第」と言われて育ってきたためだが、「上り」のマスの絵を見ながら、目を丸くし、ふと呟く。 「よく見たら奥様、地味だなぁって」 「花嫁」や「御新造」の絵の着物のほうが綺麗という理由だが、りんの面白いところは「思ったことをすぐに口にしてしまう」ところ。 りんには幼馴染・竹内虎太郎(小林虎之介)がいて、二人は「元家老の長女と元足軽」という身分の違いはあるものの、互いにほのかな恋心を抱いているように見える。そんな中、りんに、東京の立派な商家への縁談が浮上。信右衛門はりんが幸せになるなら婿を取って後を継ぐ必要はないと言い、おまけにその縁談に安が自ら手をあげたことで、りんは縁談からも家を継ぐことからも解放されたかに見えた。 ところが、母と妹が縁談で東京に出かけている間に、村に「コロリ」とも呼ばれた感染症・コレラが発生。感染者が出た家には「コロリ」と書かれた札が貼られ、近所からは白い目で見られ、村八分にされてしまう。 そして、その流行り病は虎太郎の母も襲う。当時、感染症の看病には身分の卑しい者が当てられたほか、感染者は「避病院」に運ばれていくのが通常だった。しかし、「避病院」は「死病院」とも呼ばれ、コレラなどになった者を集めて隠す施設で、そこから帰ってきた人はいないとも言われていた。 母が避病院に運ばれた不安で土手に一人佇む虎太郎を見つけたりんは、声を掛ける。しかし、震える虎太郎の手を握ろうとするが、勇気が出せず、一緒にいるところを誰かに見られたら村八分にされると虎太郎に諫められ、そのまま別れてしまう。りんはその夜、信右衛門から『論語』のこんな言葉を習う。 「子曰、過而不改、之謂過矣」(子曰く、過ちて改めざる、是を過ちと謂う) 人は間違える。だが、過ちに気づいて改めないことが過ちだ、と父は言うのだった。 そこでりんは言う。 「間違えた! 手を握ればよかった……」 しかし、その後りんをさらに大きな悲しみが襲う。村ではコロリの感染が拡大、信右衛門もコロリで倒れてしまうのだ。東京から戻った母と妹は村に入れず、りんはたった一人、信右衛門を看病することを決める。 しかし、信右衛門はりんを押しのけ、感染を拡大させないために一人で納屋にこもる。そして信右衛門の容態は悪化、りんに「生きろ」「お前はきっと優しい風を起こせる」と言い、息を引き取る。なんとここまでの展開は木曜までのたった4話で描かれた。 一ノ瀬信右衛門(北村一輝) りんは“ドジっ子”ではなく「立ち止まり、考える」主人公 その展開の速さも驚きだが、もう一つ大きな驚きは、バディのあり方だろう。 バディの造形としては通常、正反対のキャラにするのが定石だ。その点、孤児として厳しい境遇に育った直美に対し、一見苦労知らずのお嬢様のりんは、正反対タイプに見えなくもない。 しかし、りんは単なるおっとりお嬢さんでもなければ、“朝ドラ”でありがちな“ドジっ子ヒロイン”でもない。りんは思ったことをすぐに口にするため、それでいつか痛い目を見ると信右衛門に諌められるシーンはあったが、それはりんの正直さのあらわれであり、当たり前を当たり前とせず違和感を抱く・気づく観察力の鋭さによるものとも言えるだろう。 また、口癖のように登場するのが「また間違えた」というフレーズ。これも選択を迫られる場面の数々にりんが気づき、立ち止まり、考えるからこそ起こる「間違い」だ。 そして、おそらくこうした選択を迫られる場面は、りんがこれからトレインドナースになり、患者と向き合う時間の中で無数にやってくるはず。そうした意味で、「すぐに思ったことを言う」「間違える」主人公は、トレインドナースの一つの適性になりそうな気がする。 りんを“ドジっ子ヒロイン”にしないのは、演じる見上愛のクレバーさによるところもあるだろう。見上愛と言えば、大河ドラマ『光る君へ』の藤原彰子役の好演を思い出す人が多いだろうが、もともと日大藝術学部に演出家志望で入った経歴から見ても、俯瞰で物事を見る冷静で客観的なタイプなのだ。 そんなりんが、もう一人の主人公といかに出会い、どんなバディとなっていくのか。今後の展開が楽しみでならない。 一ノ瀬りん(見上愛) 【あわせて読みたい】 NHK新朝ドラ『風、薫る』主演の見上愛、直筆文字がすごい!⇨「達筆ですね」「美しい」と話題に Related... NHK Eテレ子ども番組に突然“フワちゃん登場”し反響「Eテレにフワちゃん⁉︎」「びっくりして声出ました」 NHK新朝ドラ『風、薫る』主演の見上愛、直筆文字がすごい!⇨「達筆ですね」「美しい」と話題に 大河ドラマ「豊臣兄弟!」の海外ビジュアルに「かっこいい」「痺れる」の声。仲野太賀が笑顔の日本版とこんなに違う ...クリックして全文を読む

Go to News Site