Collector
中東情勢による石油製品不足は、リサイクルで回避できる。食品トレー大手に聞いた「消費者にできること」 | Collector
中東情勢による石油製品不足は、リサイクルで回避できる。食品トレー大手に聞いた「消費者にできること」
ハフポスト日本版

中東情勢による石油製品不足は、リサイクルで回避できる。食品トレー大手に聞いた「消費者にできること」

蓋を低く改良した容器。食品の容量を減らしても満足感が得られる(有明GYM-EXで4月8日〜10日に開催された「エフピコフェア2026年 現場の声に応える頼れる容器」より) アメリカ・イスラエルによる攻撃に対抗したイランによるホルムズ海峡の事実上の封鎖の影響で、石油製品の価格が高騰している。 【画像】 石油製品不足は“リサイクル”で回避。今、消費者にできること そんな中、注目が集まっているのが、石油製品のリサイクル。中でも、食卓のコストに直結するのがスーパーなどで使用する食品トレー。そのシェアでおよそ3割を占める大手エフピコが、力を入れているのがリサイクルだ。同社は自社回収によって「リサイクル原料」を確保するため、社会情勢が不安定な状況でも供給できる強みがあるという。 エフピコでは、スーパーやコンビニで使用される1万2000種類の食品トレーを1日40万枚ほど製造・販売している。全国に21の工場があり、食品トレーの業界シェアのおよそ3割を占めている。 政府もナフサ不足対策に乗り出すが、原料の価格高騰により、関連製品の値上げや出荷停止が相次ぐ状況だ。 特に食品の販売には欠かせないトレーもナフサが原料となることから、大手のエフピコによる「リサイクル」に注目が集まっている。 エフピコの「ストアtoストア」のリサイクル方式 エフピコ方式のリサイクルのパネル(有明GYM-EXで4月8日〜10日に開催された「エフピコフェア2026年 現場の声に応える頼れる容器」より) 日本のリサイクル体制を支える「 容器包装リサイクル法 」ができたのは1995年、回収が開始されたのは2000年。しかし、エフピコがスーパーの店頭回収を開始したのは完全施行の10年も早い1990年だった。 法律に先駆けて同社がリサイクルに取り組んだのは、1980年代後半に起こった米国マクドナルドのプラスチック容器を巡る不買運動だった。プラスチックそのものが使えなくなる可能性を予見した同社は、1990年、世界に先駆けてスーパー店頭でのトレー回収を開始した。 現在では全国約2万3000店舗あるスーパーのうち、半分に当たる約1万1400店舗でエフピコが「食品トレー」の回収を行っている。 一般的に、リサイクルは、製造工程で多大なコストが発生する一方で、市場では新品と同じ価格に合わせざるを得ないという問題がある。付加価値を価格に転嫁できず、回収・加工コストがかかるため利益を出すのは困難だ。 しかし、エフピコが他社と異なる点は「原料に戻すだけでなく、自社でトレーに再製造し販売している」点にある。原料そのものを売るのではなく、付加価値をつけた製品として世に出すことで、リサイクルを収益事業として成立させている。 エフピコ執行役員・サステナビリティ推進室の冨樫英治さんは「中東情勢の影響を受けやすい石油原料に比べ、リサイクル原料は安定して回収できる。リサイクルは、消費者の皆さまが店頭に持参してくれることで成り立っているんです」と語る。 「ストアtoストア」のリサイクルで削減できるもの 【ストアtoストア】 水平サイクルで3つの削減のパネル(有明GYM-EXで4月8日〜10日に開催された「エフピコフェア2026年 現場の声に応える頼れる容器」より) また、エフピコと協力して「ストアtoストア」の循環に取り組むことで、スーパーマーケット側には石油資源の節約以外にも大きなメリットがある。 1つ目は、CO2の削減だ。新たな原料から作るよりも再生原料を使用するとCO2の排出量を約30%削減できる。2つ目は経費の削減だ。企業には「容器包装リサイクル法」に基づき、プラスチックの使用量に応じた「再商品化委託金(リサイクル費用)」の支払いが義務付けられている。 この負担金は、市場に出したプラスチックの総重量で決まる。そのため、エフピコの「軽量化トレー」を使ってプラスチックの使用量そのものを減らし、さらに「店頭回収」で自社ルートの循環を強めれば、回収した容器の重量分が委託金の算定対象から控除される。結果、国などに支払う法定負担金を抑えることができる。 エフピコの環境イベントで使用されるクイズ(有明GYM-EXで4月8日〜10日に開催された「エフピコフェア2026年 現場の声に応える頼れる容器」より) 現在、エフピコでは約5000店舗のスーパーと協働宣言を結び「 ストアtoストア 」の循環を広げている。賛同の声は急激に増えているというが、一方で、食品トレーの回収率はまだ伸び悩んでいる。小学校での出前授業や環境イベントに力を入れ、家庭でのリサイクルの意識を高めてもらえるよう地道な活動を行っているという。 「障がい者雇用」の先駆者 エフピコグループにおける障がいのある人材の活躍(有明GYM-EXで4月8日〜10日に開催された「エフピコフェア2026年 現場の声に応える頼れる容器」より) 同社の強みは、リサイクルや商品開発だけに留まらない。特筆すべきは、長年に渡り先駆的に取り組んできた「障がい者雇用」の実績だ。 取り組みを始めた40年前は、一般的に「 重度の知的障がい者が企業で正社員として働くことは極めて稀」な時代だった。それに対して同社では、40年前、最初に雇用した10人のうち8人が今も定年間際まで勤め続けているのだという。 さらに自社での雇用だけではなく、実績を元にしたコンサルティング・サポート事業によって取引先を中心とした多くの企業で障がい者雇用の場を創出しているという。その結果、エフピコでは、現在グループ全体で401人の障がい者が社員として働いている。 特に「食品トレー」を選別する部門では、重度の知的障がい者も活躍しているのだという。業務だけではなく自力での電車通勤など生活習慣を含めて包括的にサポートしている。 エフピコグループの特例子会社・エフピコダックスの代表取締役社長岩井久美さんはこの障がい者雇用も自社の強みを生み出している一つだと語る。 「私たちは決して法定雇用率のためや、社会貢献のためだけに雇用しているわけではありません。最初から戦力としてお迎えし、その対価として当たり前にお給料をお支払いしています。 現在、日本の人口の約9%である約1160万人以上の人が、何らかの障がいを抱えています。彼らが社会のなかでいきいきと活躍し、経済的に自立できるように企業として取り組むことは、ごく当たり前のことだと思っています」 Related... 【画像】中東情勢による石油製品不足は、リサイクルで回避できる。食品トレー大手に聞いた「消費者にできること」 年収の壁「178万円」に拡大へ。残る「社会保険の壁」で“手取りが減る”ケースも。「週20時間ルール」や「130万円の壁」に注意 「沖縄県民に愛される」から「変革者」へ。株式上場したオリオンビールは、地方の可能性を広げる“ローカルゼブラ”を目指す ...クリックして全文を読む

Go to News Site