ハフポスト日本版
日曜劇場『GIFT』 4月19日、堤真一主演の日曜劇場『GIFT』(TBS系)の第2話が放送された。ネット上の意見を見ると、第1話は好評寄りなものの否定的な意見も散見される印象ではあったが、第2話では「面白くなってきたぞ」「こういうの大好物!」「早く第3話が見たい」といった熱量のある感想が多く届けられている。 【画像】 山田裕貴「落とした〜」 日曜劇場では『ザ・ロイヤルファミリー』『リブート』と多くの視聴者から絶賛された作品が続いたため、期待されるレベルが恐ろしく高くなっていることも、『GIFT』第1話の「まずまず」な評価につながっていたのだろう。でも、だからこそ、本作を低く見積もりすぎてしまう、もしくは「1話切り」をしてしまうのは、あまりにもったいない。 第1話では「キャラクターと車いすラグビーの紹介」に止まっている印象があり、“撮影に5日間をかけた”という試合シーンも意図的にせよカタルシスを感じさせないこと、安田顕演じる相手チームのコーチのセリフが「やりすぎ」なことなどが、作品の弱点であると思っていた。しかし、それらもまた第2話で描かれる「2つの試合」とリンクをしており、必然性のある構成だと思えたのだ。 第2話のサブタイトルである「わりとマジです。天才学者の本領発揮!」にも大納得できる、「『GIFT』は第2話からが本番」と言えるワケを解説したい。 ※以下、『GIFT』第2話の内容に触れています。 「弱点を強みに変える」考えと戦略の面白さ 本作のユニークなアイデアは、「宇宙物理学の考えを車いすラグビーの戦略に応用する」こと。第1話ではその具体的な戦略が語られずじまいであったこともまた作品の弱点だと思えたが、今回はしっかりと「不可能に思えたことを可能にする」形で提示する面白さがある。 宇宙物理学者の伍鉄文人(堤)は、車いすラグビーの弱小チーム「ブレイズブルズ」において、レクリエーション感覚で参加している「レク派」が、レギュラーメンバーである「マジ派」に勝つことができれば自分に従ってもらうが、負ければコーチを諦めるという約束をする。 この試合において、レク派の選手それぞれの「弱点を強みに変える」考えと戦略こそが面白い。「必要最低限の動きしかしない」→「無駄のない絶妙なポジション取りができる」、「タックルにしか興味がない」→「強気のディフェンスができる」、「存在感がない」→「例えるなら望遠鏡がなければ絶対に見えない海王星。つまり背後霊のようなプレイヤーになれる」といった具合だ。 中でも、“一番星”ことチームのエースだった宮下涼(山田裕貴)に憧れを抱く少年・坂東拓也( 越山敬達) に「天体の軌道を追いかける望遠鏡のような目を持っている」と激励して、「よく知っているファンでありマニア」だからこそのプレッシャーをかけられるという流れがアツい。 そして、その拓也を演じた越山の、幼くも見えるも鋭い眼差しから信念を感じさせる表情も素晴らしい。その越山は2024年の映画『ぼくのお日さま』では印象が大きく異なる、純朴な恋をしている少年を演じているので、ぜひこの機会に観てほしい。 “光を失った星”涼 VS “星になり損ねた”圭二郎が示したもの もう1つの試合は、涼と朝谷圭二郎(本田響矢)の対決。圭二郎は友人の沖平颯斗(杢代和人)との関係が描かれているにせよ、素行不良で文人に暴力を奮ってカネをせびっている、印象が良いとは言えないキャラクターだ。今回の対決に挑む理由も「カネをさらに10倍にする」という文人の提案に乗ったにすぎない。だからこそ、ここで涼が圭二郎に完勝するというのも、大きな意味がある。 何しろ、涼は文人に「素人が興味半分でやめてもらえますか?」と言うなどと、経験を積んだ自分たちに介入してくる者たちにはっきり嫌悪感を募らせており、それは至極真っ当な意見だ。それでも文人は(表向きには「一夜漬け」と言うも)車いすラグビーをしっかり勉強した上で、自身の宇宙物理学の知見を応用してこそ勝利をもぎ取っていたのだが、圭二郎はそうした「土台」すらないのだから。 そんな圭二郎を文字通りに立て直すのが、彼の両親というのも象徴的だ。当初、コーチの日野雅美(吉瀬美智子)から「(車いすラグビーのチーム活動は)無理ですね、圭二郎くんには」と断言されていた通り、この両親は圭二郎に対して「本来必要な家族のサポートができていない」「他人事のような距離感でいた」のだが、この対決シーンで両親のサポートも距離感も劇的に変わったことがはっきりと示されている。 「光を失った星」である涼と、星になり損ねた「褐色矮星」である圭二郎。文人からそう例えられる2人の関係と、それぞれの成長も、とても期待できるものだった。 安田顕の“やりすぎなセリフ”も見え方が変わってくる ライバルチームのシャークヘッドのコーチ・国見明保(安田)による、第1話でのブレイズブルズの可能性のすべてを否定するような言動は、さすがにパワハラ的でやりすぎに思えた。だが、第2話で涼をシャークヘッドに引き入れようと「十分な給料も出る」「プレーに集中できる」「ちゃんと生きるってことを(母親に)見せてやったらどうだ」と説得する場面があることで、見え方が変わってくる。 つまり、明保は「沈みゆく船」に乗る涼を救いたいがために、あれほどの発言をした、ということではあるのだが……それもまた独善的な考えにすぎないだろう。経済的な事情も含めて説得を試みる様も、正論であるがゆえに卑怯なものに思えた。どちらにせよ明保がイヤなやつという印象が覆らないからこそ、今後に彼がどう変わるか(または変わらないのか)も、注目したいポイントだ。 それでも、あえて第2話でも気になったことを記すのであれば、ライフスタイル雑誌の編集長である西陣誠子(真飛聖)が「よろしこ」と何度も言うのが一定数の視聴者をイラっとさせているとか、ブレイズブルズのメンバーの李武臣(水間ロン)が「Don’t think. Feel.(考えるな、感じろ)」と言うなどのブルース・リーのマネをするのは若い人に通じるのか不安になるといった点もあるが、まあ些細なことだろう。 そして、公式Xでは「来週の第3話から物語はさらに加速していきます!」と宣言されている。ややスロースタートに思えたからこそ、なるほど加速度的な面白さを、『GIFT』には期待できるだろう。 【あわせて読みたい】 ドラマ『GIFT』初回、安田顕のセリフは“やりすぎ”? 堤真一と山田裕貴は当たり役。『容疑者Xの献身』彷彿が感慨深いワケ Related... 【画像】山田裕貴「落とした〜」 ドラマ『夫婦別姓刑事』初回、“選択的夫婦別姓”とは無関係でネット困惑? 橋本愛「制度がなければ結婚したくない」発言も話題 【風、薫る】シマケン(Aぇ! group・佐野晶哉)が五代、万太郎、ジョー…歴代「自由人」と決定的に異なる理由 ...クリックして全文を読む
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