金次郎は、「こりゃ、どうした」 声を発した。田んぼに農民がひとりもいないせいで、その声は、天と地のあいだの空隙(くうげき)へ延々と響いた。門人ふたりも呆然(ぼうぜん)として、「いや、先生、こいつは……」「わけが、わからん」ところどころ、家が何軒か寄り集まっている。