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なぜZ世代では女性より男性の方が子どもを欲しがるのか | Collector
なぜZ世代では女性より男性の方が子どもを欲しがるのか
ハフポスト日本版

なぜZ世代では女性より男性の方が子どもを欲しがるのか

イメージ画像 ある晩、夕食を一緒に食べていた友人が、私生活についてこう打ち明けた。 「ずっと不満なんだよね...」 恋人がいるが、家計を支え、家を所有し、家事をすべてこなしてるのは彼女だった。いずれ負担は均等になると期待していたが、そうはならなかった。 恋人は子どもを強く望んでいたが、彼女はそうではなかった。妊娠と出産、その後も子どもの世話をし、その命を守る責任の大半を担いながら、家賃も払うことになるのは自分だと分かっていたからだ。 彼の貢献は、その見返りとして十分には思えなかった。 数週間後、2人は別れた。 この友人の話は、より 大きな傾向 のたった一例にすぎない。まだ子どもを持たない18〜34歳の中で、子どもを持ちたいと考えている男性は女性より約500万人も多い。しかし同時に、この層の男性は 経済的安定 の獲得や大学の修了、有意義な社会的つながりの構築に苦戦している。 親になることへの願望における男女差とその要因は、アメリカの出生率低下に対する懸念をさらに深める可能性がある。 若年男性の研究組織 Young Men’s Research Initiative の調査によると、父親になることへの願望は保守的な若い男性に最も強く見られるが、将来の成功の一部として子どもを持つことを重要視する 男性は多い 。 Z世代の男性や“男性らしさ”、 出生奨励運動 や 出生率低下 については、すでに多くが報じられている。Z世代女性であり同世代を研究する私たちは、この「子供を持つこと」をめぐる男女の分断がどこから来ているのか、そしてどうすれば埋められるのかを紐解く。 結論を先に言えば、もし子育てが父親のような責任で済むのなら、私たちも喜んで引き受けるだろう。 母親になることは、もはや「クール」ではない 「母親ペナルティ」は依然として存在している。 ほぼすべての国 で、出産後10年経っても女性の就業率は出産前の水準に戻らない一方で、男性は父親になった最初の年に就業面で恩恵を受ける。そのうえ、妊娠に伴う身体的リスク(特に黒人女性において顕著)や、心配事など精神的負担の大半も母親に偏る。 一方、母親になることで失うコストは増している。保育費がインフレを上回るペースで上昇しており、 収入の可能性 と家庭内労働のバランスは、より不均衡になっている。かつて存在した「村」のような育児環境(近くに祖父母がいて助けてくれる関係性)は崩れ、今ではアプリや施設がその代わりを担っている。 母親であることは、身体の自己決定権という価値観とも相反しているように感じられる。アメリカでは中絶医療の 制限 が進み、世界的に女性の権利が 後退 している中でなおさらだ。 女性の健康を軽んじるこうした状況の中で妊娠を考えることは、「女性は子宮としての価値しかなく、生命の誕生を管理する男性より劣る」という古い嘘を受け入れることのようにも感じられる。 「私の体、私の選択」が改めて問われる中、女性たちは妊娠や子育てが自分にとって何を意味するのかを真剣に考えている。 ミレニアル世代の父親たちはそれ以前の世代より積極的に育児に関わるようになったが、文化的には男性は逆方向へ引き戻されている。2月には、男性性論者として知られる スコット・ギャロウェイさん が「父親は子どもの生後数カ月はそばにいる必要はない」と主張した。 こうした言説は、母親になることをさらに孤独なものに感じさせる。ジェンダー平等の意識が後退しているように見える中で、母親であることは「罠」のようにも思える。 その結果、多くの女性は母性的な役割を警戒するようになった。幼い頃から「良い母親になれるか」で評価され、「優しいか」「思いやりがあるか」「野心的すぎないか」といった基準が押し付けられる。感情面のスキルを褒められることは、知性や個性を評価されるよりも居心地が悪いこともある。 それは、「いつか素敵なお嫁さんになる」という古い言葉のように、女性を矮小化するものに感じられる。Z世代女性にとって、母親になることは可能性を狭めるものとして捉えられつつある。 「すべてを手に入れる」スーパーママ像は、私たちの憧れではない 私たちの母親世代は、キャリアと子育ての両立が可能になった最初の世代だった。しかし家庭内の役割分担は変わらず、 「第二の勤務」 と呼ばれる負担が女性にのしかかった。 その結果、女性の仕事における自由は依然として制約され、微々たる改善はあったものの、平等に達することはなく、この後も達することはないと思われる。 女性が家計を支える家庭でも、家事や育児の負担は依然として 女性の方が多い 。たとえ女性が唯一の稼ぎ手であっても、その状況は変わらない。 さらに、データでは見えない精神的負担もある。子どもの教師の名前を把握したり、出張中の子どものケアを確保したり、クリニックの予約を取ったり...こうした見えない労働も 女性に偏っている 。 こうした肉体・精神的な労働は大きな代償として、仕事への集中力や休息を奪っていく。 長年にわたり、「女性はもともと家事・育児が得意」という固定観念が、 男性の無力さを正当化 してきた。実際、育児情報を毎月オンラインで探す母親は42%にのぼるのに対し、父親は22%にとどまる。 Z世代女性は「状況が変わる」という兆しを求めているが、現実はそうではない。ミレニアル世代の母親たちは依然として疲弊しており、若い男性の一部ではジェンダー観がむしろ 後退 していることを考慮すれば、Z世代ではさらに悪化する可能性もある。例えば、Z世代の男性の 31% が「女性は常に夫に従うべきだ」と考えている。 母親たちは確かに並外れた存在だが、「何でもこなせる」という物語はすでに破綻しており、現実的ではない。 若い女性の間で広く知られている統計の1つに、「結婚は女性よりも男性にとって有益だ」というものがある。このデータが完全にそれを裏付けているかどうかは別として、その認識自体は現実であり、重要な意味を持つ。ある 調査 によれば、結婚や出産が女性の幸福につながると考える女性は32%にとどまる一方、男性では49%にのぼる。 女性が男性のために自分をすり減らしているという感覚があり、母親世代からも同じ道を歩むなという警告が発せられている。アメリカでは大学修了率で女性が男性を10パーセントポイント以上 上回っており 、現在の女性は経済的により強い立場にある。そのため、パートナーに求める条件を妥協することなく、より交渉の余地を持てるようになっている。 Z世代女性は、“母親の現実”をすでに知っている Z世代女性はすでに「育児」のプロだと主張する人もいる。恋人の世話をしたり、コロナ禍で同棲生活を送りながら家事を担ったり、家族に連絡をとるよう促したりしてきた。こうした労働は「マザーリング」「マンキーピング」とも呼ばれ、自分たちの不満に名前を与える力にはなるものの、将来の実際の育児に踏み込むことへの不安を強めている。 この不均衡の背景には、 男性が家庭内労働に気づきにくい という問題もある。女性は将来を見据えて母親の役割を観察するが、男性は同じようには学ばない。 また、女性の方が母親の就労経験を強く 記憶 しており、家事との二重負担への理解も深い一方、息子はそこから切り離されたままだった可能性を示している。男性が不平等に気づかないままでは、固定化されたジェンダー不公平は再生産され続ける。 これは、家庭における男性の経済的貢献が低下し、女性よりも多くの男性が 失業している という状況とも重なっている。私たちは、男性の社会的・経済的な不安定さのしわ寄せを引き受けているのだ。若い男性は、自分の経済状況がパートナーとして選ばれる際の重要な要素だと考えている一方で、女性はそれ以上に優しさや誠実さを重視している。若い女性として、私たちは将来の配偶者と家計を支える役割を分かち合うことを前提にしており、家庭内労働も分担できる相手を求めている。 実際には、女性が男性に求めているものと、男性が女性に「求められている」と思っているものの間には 大きなズレ がある。ネットでは、女性が何に魅力を感じるかについての男性の認識は 「完璧なルックス」 だと考えており、女性が実際に求めているものからますます乖離している。それにもかかわらず、若い男性の間では、自分の外見が理由で女性に拒絶されていると女性のせいにする傾向が強まっている。だが現実には、シャープな顎のラインよりも、セラピーの時間を選ぶ。 父親になりたい男性へのアドバイス 男性が本当に親になりたいのであれば、2つの変化が必要だ。願望と準備のギャップを埋めることと、母親に偏ってきた負担を、父親がより多く引き受けることだ。 「若い男性たちと話していて感じるのは、この問題についての多くの考えが、現実の経験に基づいたものではなく、あくまで観念にとどまっているということです」と、男性の家事・育児に対する責任への支援拡充を目指すキャンペーン「Parenting Out Loud」の創設者エリオット・レイ氏はハフポストに語った。 「その考えは、『家庭における自分の役割とは何か』について主にネット上で語られていることから影響を受けています」 子どもの健康診断を予約すること、三つ編みのやり方を学ぶこと、買い物リストをゼロから作ること、心の痛みに寄り添うこと...それが実際の育児だ。 「多くの文化では、男性は(家庭内労働の)多くを担っておらず、その代わりに長女が家事の大半を担うことが期待されています」とレイ氏は指摘する。そのうえで、解決策は単に息子に「手伝わせる」ことではなく、家庭を運営するとはどういうことかを、すべての子どもに平等に理解させることだと付け加えた。 「息子に料理や掃除といった家事を促すだけでなく、息子と娘を平等に扱うことが重要です」とレイ氏は語る。 この「願望と準備のギャップ」は埋めることが可能だが、そのためには異性愛カップルにおける子育ての社会的な前提を見直す必要がある。まずは男性性のあり方を再考し、「支えること」の意味を、単なる経済的貢献にとどめず、感情的な労働や家庭内での安定した関与、そして「そばにいること」を含むものへと広げていくことが出発点となる。 「願望と行動のギャップを埋めるためには、若い男性同士がつながり、例えば少し年上の男性とのメンタリング関係を築ける場をもっと作る必要があります。いわば、叔父やコーチのような存在です。そうすることで、家族を愛し、家事や育児をこなすとはどういうことかを学べるのです」とレイ氏は主張する。 また、「守る」ということの意味も、身体的な側面を超えて拡張する必要がある。真に安心できる環境を家庭内でどうつくるのか。子どもが心を開ける空間をどう育むのか。多くの父親は、母親と同じように子どもと 深くつながりたい と望んでいる。男性は本来ケアする力を持っているが、大人になる過程でその側面を抑え込むよう社会に適合されがちだ。しかし若い女性がパートナーに求めているのは、まさにコミュニケーション能力や思いやりである。 さらに、制度的な側面もある。育児休業は単なる「人手の追加」以上の意味を持つ。それは、両親がそれぞれ自分に何が求められているのかを理解し、自信を持てるようになる成長期間でもある。「誰が育児を担える存在として見られているかが重要で、それによって負担の分担が可能になります」とレイ氏は語る。 アメリカには有給の育児休業を保障する 連邦法がなく 、それはOECD加盟国で唯一、そして世界でも少数派の1国となっている。 世界に目を向けると、 中国 や ハンガリー 、 韓国 などが金銭的支援によって結婚や出産を促そうとしているが、その効果は限定的だ。 確かに保育費の高さは大きな障壁だ。しかし、子育てをめぐる男女差の解決策は、経済的なものだけではない。社会的な側面も重要だ。 ルワンダ では国家レベルでの父親教育の導入が進められ、 セネガル では「夫のための学校」が設立されるなど、新たな取り組みが始まっている。 最終的に、父親像が「理想的な父親が実際に行っていること」、つまり、楽しい部分だけでなく、子どもの心配や家事・育児を担う姿に近づけば、より多くの女性が男性と子どもを持つことを前向きに考えるかもしれない。家庭内労働を担うように育てられてこなかった男性が一夜にして変わるとは期待していないが、父親になりたいと望むのであれば、主体的な父親像や健全な子育てについて学ぶ努力をしてほしい。 ただし、Z世代における「親になること」に対する興味の後退は、女性が家庭から離れているという話ではない。求められる役割を観察し、理解した上での選択なのだ。 ハフポストUS版 の記事を翻訳・編集しました。 Related... 海外で話題の子育てハック「ジェシカ・メソッド」とは?それが「効く」理由と使う際の注意点を専門家が解説 ANAの国内線ルール、幼児無料⇨「1歳まで」に変更へ。いつから?JALは?子育て世帯に衝撃 ナショジオの衝撃カバー、裏には「日本アニメ」の影響があった。寄生虫すら「かっこよく」撮る写真家が変えた「科学」の見方 ...クリックして全文を読む

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