ハフポスト日本版
左から奥村奈津美さん、洲河美貴さん、犬山紙子さん 女性の健康・ウェルネス・キャリアを横断的に扱う体験型フェス 「第6回 WEHealth2026」が3月6、7日、東京都のWITH HARAJUKU HALLで開催された。 初日のトークセッションは、災害時に女性の体と心に生じる変化や、それらに付随する困りごとを共有する場となった。 在宅避難、同地避難に備えて、家庭に1週間の備蓄があると安心 犬山紙子さん 毎年国際女性デーにあわせて開催してきた「WEHealth」の今年のテーマは「防災 × 女性のカラダとココロ」。 日常の延長線上にあるという視点から、防災に関する展示や情報発信を行った。 「その防災、本当に“わたし向け”ですか?女性のカラダとココロから考える、防災の新しい視点」と題したトークセッションには、コラムニスト・エッセイストの犬山紙子さん、一般財団法人日本女性財団のフェムシップドクターや産婦人科医を務める洲河美貴さん、防災アナウンサーの奥村奈津美さんが登壇。 それぞれの経験から、災害時の課題や防災に向けた取り組みについて語り合った。 進行を務めた奥村さんは2011年3月の東日本大震災の時、仙台のテレビ局でアナウンサーとして勤務していた。以降、全国の被災地を訪れ、取材や支援ボランティアに力を入れている。 「特別な対応をしなくてはいけないと思いがちだけど、災害は日常の延長で起こること。もしものことではなくいつものこととして防災を考えていきたい」と、トークセッションの口火を切った。 災害というと避難所での生活を思い浮かべる人も少なくないが、実際には在宅避難、同地避難となる可能性が高いため、国は最低でも3日間、できれば1週間の備蓄を家庭に備えておくことを推奨している。 9割近くの自治体が生理用ナプキンを常備備蓄。一方、おりものシートは9.5%どまり 洲河美貴さん 令和6年8月に内閣府男女共同参画局が公表した「ガイドラインに基づく 地方公共団体の取組状況調査 (令和5年)」によると、(政令市を含む) 1741市区町村の9割近くが生理用ナプキンを常備備蓄しているのに対し、おりものシートは9.5%、サニタリーショーツは4.8%にとどまっている。 犬山さんは「常備備蓄されているのはありがたいが、ナプキンだけでは足りないのが正直なところ」と指摘。洲河さんは「生理が重い軽い、周期が長い短いも個人差があるので、平等かつ均等に配慮する上ではかなり心配」と率直な意見を述べた。 おりものシート「サラサーティ」を販売する小林製薬は、この日、協賛ブースを出展。担当者は「おりものシートの役割をナプキンが兼ねると思われがちだが、ナプキンとおりものシートは用途も仕様が異なる。災害時は通常時と比べて、腟炎、膀胱炎、デリケートゾーンのかゆみ・かぶれなどが起こるリスクが高まるので、ぜひ防災グッズにおりものシートを加えてほしい」と強調した。 洲河さんは、災害時は家族のケアなどに代表される負担が特に女性にかかりやすく、また周囲とうまくやっていこうと配慮するあまりストレスを抱え、免疫力の低下につながりやすいと健康面への影響を補足した。 「避難所のお手洗いが不衛生なため、飲水を控えた結果、膀胱炎や腎盂腎炎などの泌尿器疾患を引き起こすほか、血栓症のリスクも高まります。生理前にイライラする、眠くなるなどのPMSや一人で起きられないなどの更年期症状もストレスによって悪化しやすいことが証明されているので、災害時の懸案事項ですね」(洲河さん) また、東日本大震災では、母の介護のため故郷の宮城県で過ごした犬山さんは、「家族や友人も含め、体の不調を抱えていたけれど、“これを言ったらわがままかな”と思い込んでいた部分があった。生理用品がない、体を清潔に保ちたい、痒い部分があっても、“自分より大変な人がいるんだから”と躊躇している部分もあったし、メンタル面でも衛生面でも追い込まれていた」と語った。 自分で抱えがちな人こそ、支援、援助を受ける「受援力」を磨いて WEHealth2026 奥村さんは2024年の能登半島地震で現地入りした経験から、防災グッズにはぜひ携帯トイレを追加してみてほしいと呼びかけた。 「能登では下水にも影響があって、水を流せない状況になったので、携帯トイレは非常に役立ちました。ペットを飼っている人はペットシートも使えるので、普段から使っているものを多めに準備しておくといいと思います」(奥村さん) このほか、▼子どものおむつはサイズアウトしても取っておいて非常用トイレとして使う▼赤ちゃん用のおしりふきはアルコールが含まれていないため、手や体を清潔にしたいときにも活用できる、など様々なアイデアを持ち寄った。 一方で、奥村さんは自分で入念に備えるだけではなく、支援、援助を受ける力「受援力」も重要だと説く。洲河さんも「生理も更年期も“これは自分だけかもしれない”と思いがちだけど、女性はみんな何かしら問題を抱えています。だからそういう時に助けたいと考えている人たちもたくさんいるし、自分で抱えがちな人は普段から受援力を磨いておいてほしい」と賛同した。 「就寝中にお腹に挟んでおくと、衣服内の温度を計測して月経リズムを把握できる便利なデバイスなども出ています。自分は生理のときにこういう症状が出るんだなと把握していると、婦人科で漢方や薬を処方してもらうなど相談もしやすくなると思います」(洲河さん) この日の来場者は女性がメインだったが、犬山さんは「今日の話や、購入した商品をぜひ家族や友人の男性にも話して巻き込んでほしい。女性のニーズを男性にも理解してほしい」と促した。 奥村さんは生理用品や常備薬のほか、お薬手帳やマイボトル、モバイルバッテリーなども持ち歩くことを提案。日常生活の中に防災の考えを自然に取り入れる意義を重ね、トークセッションを締めくくった。 Related... 男性にも知ってほしい、一回の生理で使うナプキンの量。備蓄のポイントを聞いてみた【能登半島地震】 トイレに生理用品は必要?大学部活動で実験してわかった、「生理用品設置」がもたらすこと。 ...クリックして全文を読む
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